川端康成文学賞を受けた短編「レールの向こう」の中で、脳梗塞で倒れた妻を病院に見舞う「私」は、過去を回想していく。まるで記憶障害を抱える妻の分を補うかのように-。 この短編で「お前」という妻への呼び掛けは、私たちに印象深い、かつての「カクテル・パーティー」の糾弾する二人称ではなく、あくまでも優...
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川端康成文学賞を受けた短編「レールの向こう」の中で、脳梗塞で倒れた妻を病院に見舞う「私」は、過去を回想していく。まるで記憶障害を抱える妻の分を補うかのように-。 この短編で「お前」という妻への呼び掛けは、私たちに印象深い、かつての「カクテル・パーティー」の糾弾する二人称ではなく、あくまでも優...