立川談志さんの長男、松岡慎太郎さん(45)と長女、弓子さん(48)が23日夜、東京都内のホテルで記者会見した。
2人によると、談志さんは昨年11月に医師から、「喉頭がんが再発した。一刻も早く声帯を取る手術を」と言われたが、本人は拒絶し、がんの表面を取り除く施術を受けながら高座に上がり続けた。
3月に気管切開手術を受けてからは筆談になったという。談志さんは「葬儀はしないでくれ」「お経はいらない」「骨は海にまいてくれ」と家族に伝えていた。戒名は本人が付けた「立川雲黒斎家元勝手居士(たてかわうんこくさいいえもとかってこじ)」。ひつぎにはトレードマークのバンダナとかわいがっていたぬいぐるみを入れ、紋付きはかまを着せて扇子も添えた。
病状が悪化してからは弟子とも会わなくなった。8月の弟子との会合の席には、談志さんは39度の熱を押して参加したが、「体力が落ちていたし、心配をかけたくなかった。一門にも伝えずに家族だけで見守ることにした」という。
一方、談志さんの愛弟子の志の輔さんは、「最後の最後まで師匠らしかった」と話した。
志の輔さんによると臨終に立ち会った弟子はおらず、志の輔さんが師匠の死を知らされたのも、密葬が済んだ後だったという。「自分のよしとしない姿は弟子にも見せないというダンディズムだったのだろう」と思いやった。談志さんの生涯について「国会議員になったり自分の流派を立ち上げたり、自分でデッサンを描き続けた人生だった」と振り返った。【袴田貴行、木村光則】
(毎日新聞)
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談志さん死去:声帯切除を拒否し高座に 長男と長女が会見
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